神戸市東灘区のJR[摂津本山]駅 または阪神電鉄[青木]駅 徒歩15分に位置するうはらクリニックは、ろっこう医療生活協同組合が運営する「地域住民による住民のための診療所」です。

医療生協にこだわり在宅医療・介護を作る

医療生協にこだわり在宅医療・介護を作る

私たちも今年度から本格的に在宅医療を展開しようと思っていまして、日本の在宅医療の現状を知るべく3月に松山で開催の日本在宅医学会に参加しました。久しぶりの道後温泉は明るい観光地となっていて驚きましたが、それよりもこの学会の参加者3000人の熱気はすごかった。「自宅での平穏死」がブームとなり在宅クリニックが増えています。学会では「我が国の外来患者数は減少しているが在宅患者数はどんどん伸びている。これからは在宅医療の時代だ!」と元気がよろしい。「鎌倉と沖縄で各350ケースの往診をしています。」「グループ診療で1500の在宅ケースを診ています。」という具合でスケールが一桁も二桁も大きい。忙しい外来の傍ら往診をしている灘診療所とは異次元の在宅医療ワールドが広がっていました。

学会には医師・看護師のみならず事務系の発表も多く、在宅クリニック事務長交流会・訪問鍼灸マッサージ師の会・ケアマネージャーの会と自由かつ多彩です。先述の1500ケース抱えるグループは大手鉄道不動産部門がバックアップして診療所5つに接骨院まで経営し、有料老人ホームやケア付き住宅に特化した在宅事業部も立ち上げて医師を20人以上抱えているという。顧客確保や看取りのマニュアルまでシステム化された在宅医療産業です。この学会の活力源は参加者の誠実な熱意だけでなく下部構造的な変化・医療の産業化だと実感して帰ってきました。

昨年には灘診療所の近くにも「在宅クリニック」が出現したので訪問したことがあります。「うちは一般の人は診ていません。老人ホームの訪問診療だけです。」というお答えでした。こちらはベネッセグループの有料ホームを顧客としているとのことでした。別の在宅医の集まりでは在宅患者を一人1.5万円で紹介する斡旋業もあると聞きました。病院経営とちがって在宅医療は手軽にかつ密かに「もうけることができる医療分野」という事になってしまっているのかもしれません。

さて、灘診療所は8年前に有床化しました。目的は「組合員が療養できる環境を自由に選ぶことができるため」のベッドを自分たちで運営することであったと思っています。並行して在宅患者数も8年で倍増しました。学会で発表するべく統計を取ってみると有床化後に在宅患者106人を看取っていました。106人が亡くなった場所は自宅4割・診療所3割・大病院のベッド3割でした。神戸市の在宅死亡率は17%なので最後まで自宅に居りたいという希望にある程度応えることができたのだなあと思います。しかし、その106人中一人暮らしの患者さんを往診して看取ったケースはたった6人でした。在宅看取りには介護ベッドが置ける広さの部屋と24時間のケアが必要ですが介護保険金額内では一人暮らしの患者さんにそれを提供することはかなり難しいのが実情です。無理すると私たちがボランティアすることになるか、患者さんに多額の自己負担金をお願いすることになってしまいます。

ここで思い出すのは一人暮らしで亡くなったTさんのことです。震災のときは夫婦二人暮らし、六甲アイランドの仮設住宅からそのまま六甲アイランドの復興住宅に入居したためボランティアの介護タクシーを利用しながら毎月、灘診療所まで通院してくれていました。5年前、夫を肺の病気で看取ったあと一人暮らしになったのですが、Tさん本人も肺の病気にかかり在宅酸素療法を受けることになりました。「間質性肺炎」という病気です。肺が次第に硬く小さくなって肺活量が4分の1に減ってしまい少し動いても苦しくなる難病です。亡くなる前の半年間は介護タクシーでも通院できなくなってしまいました。私が往診するにも片道30分かかるため緊急対応できません。そこで、そのころ診療所の隣にできた「花たば住宅」=高齢者向き住宅に引っ越してきてもらいました。花たばのスタッフが毎日訪問して薬の世話や食事の手配をしてくれて、訪問看護「あんず」と訪問介護「あおぞら」から毎日訪問してもらい、私も毎週往診しました。苦しくなると灘診療所に入院して良くなったら退院すること繰り返しました。最期は灘診療所のベッドで妹さんに看取られました。最期の苦しい時間に「先生ありがとう」といってもらいました。診療所の入院と高齢者住宅「花たば」のありがたさを実感した出来事でした。

来年には我が医療生協もサービス付き高齢者住宅を建設することを決めました。もちろん「自分で療養できる環境を自由に選ぶ」条件を広げるためです。先日の第1回の建設委員会でこんな声が出ました。「そんなに便利な施設ができるなら利用したいがそこで働く人はきっとたいへん忙しかろう、身体をこわさないように配慮して人を雇ってあげて欲しい。」この住宅を資本が利潤を上げるためでなく医療生協が作り運営することに大きな意味があると思っています。組合員と私たちスタッフの協同で医療生協の在宅医療・介護事業を作るという夢がまた広がります。皆さんともに、がんばりましょう。

ろっこう医療生協 村上正治

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