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介護でのいらだちの解消について

アンガーマネジメント

以前に暴言を吐き辞職したあるA市の市長がアンガーマネジメントの講義を受けていると聞いた。この市長は再選され、あいかわらずいろんなところでぶつかってはいるが市民からの支持は厚いようだ。アンガー(怒りの)マネジメント(管理)技術ということか?

介護でのいらだちの対処

認知症の家族を介護している方々にストレスとどうやってつきあったらよいかと問われるのであるが、逆らわず折れずに「柳のように対処してくださいと」話しする。それでも何回も何回も同じ事を聞かれ、主張されるとさすがに辛抱できませんと言われる。そこで「アンガーマネジメント」が使えないかと思って検索するとたくさん見つかった。基本の方法がいくつかあるようだ。

6秒ルール=怒りのピークをやり過ごす

いらだちがわき上がって怒るまでに6秒辛抱すべし。怒りのピークは長続きしないので6秒数えてクールダウンせよという事のようだ。反射的な行動を起こさなければ怒りのピークをやり過ごすことができるという。言葉に出す前にメモに書き付けるというのもありかも。介護者に「5回は同じ事を言われても受け流すが6回目には訂正するようにしている」というのも聞いた。それ以上は自分が持たないからという。

「べき」の境界線を広げる=怒りは相手への要望である

怒りは「こうあるべき」という相手への期待の表れである。認知症介護を始めた当初の家族は「訂正すれば治るのではないか」という期待を持っているし、認知症の相手を許容できてない自分がある。まずは相手が自分と同じに記憶しているはずだという期待を捨てる必要があるし、経験をともにしていてもそれは相手の中に残っていないのだということを知るべきだ。それはつらいことかも知れない、しかし期待を持たないことは相手を軽んじることではなく短期記憶障害を知ることである。忘れる父親をありのままに受け入れることである。はじめは受け入れがたいことかも知れないが、相手への期待は自分にストレスであるばかりでなく、認知症の当事者にもつらいことである。

怒りは伝染する、そして残る

人間は怒る相手に対して怒りで対応する。そこで生じた負の感情は記憶よりも長く残る。認知症の脳では出来事の記憶は残りにくいのだが感情は別の場所に残るとされている。自分の怒りが相手に伝わり脳に残り関係がこじれていく、その危険を減らすためには感情的な対応でなく受容と説得が大切である。

近くにいる介護者がつらい

要介護認定の役人が訪問調査に来たときだけは記憶力良く答える。デイサービスに行ったり訪問看護が来ているときにはすごく機嫌が良よい。でも家族に対しては同じ事ばかり繰り返し要求するし機嫌が悪い。妻や嫁にだけつらく当たる。こういう相談も多い。
認知症患者本人も何でも忘れてしまって周囲とうまくつきあえないつらさをどうにか解消しなければ生きていけない。だから甘えられる家族には無理せず忘れる自分をさらすし、ある時は介護者に対して当たり散らし怒りをあらわす。自分がなくした物を誰かが盗んだという。献身的に尽くしてくれる妻は実は浮気をしているのだと罵倒する。そのようなすり替えや妄想、自己の認知症の否定も自分の感情を平静に保つための方便であることを理解すべきである。

しかし介護する側もずっと我慢するのはやめて、デイサービスやショートステイを利用し休憩することはお互いの平静の心を保つには大切なことだと思う。そして認知症がもっと進行すればそのような静かになってトラブルは減っていくことも知っていて欲しい。

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