神戸市東灘区のJR[摂津本山]駅 または阪神電鉄[青木]駅 徒歩15分に位置するうはらクリニックは、ろっこう医療生活協同組合が運営する「地域住民による住民のための診療所」です。

救急車を呼ぶ前に

救急車を呼ぶ前に

平穏死と救急車

「平穏死」ということばが出版界でブームです。尼崎の町医者・長尾和宏先生が『「平穏死」10の条件』という本を出しベストセラーになっています。彼は終末期の患者さんを無理に生かすのでなく、その人に合った死のあり方を選ぶべきではないかと提案しています。

その本に「救急車を呼ぶ前にちょっと考えてほしい」というくだりがあります。私も救急車の呼び方はつくづく難しいと感じています。

たとえば、持病もなく元気で暮らしていた人が急に苦しみだした場合。皆さん迷わず119番で救急車を呼ばれるでしょう。実は3年前に私の母親が風呂で倒れたとき、まだ息があったのですが、あわてた父は110番をして警察を呼んでしまいました。駆けつけた警察が救急車を呼ぶことになって救急処置が間に合いませんでした。母の死後に遺体は解剖され、父親は悔やんでおりました。

救急車を呼ぶと困るケース

これとは逆に救急車を呼んでほしくないケースがあります。一番にお願いしたいのは診療所に通院していた患者さんが自宅ですでに亡くなっていた場合には先ず主治医に連絡してほしいのです。救急車を呼んでも患者さんはすでに亡くなっている。すると救急隊は警察を呼びます。警察官が何人も家にきます。下手をすると「不審死」の扱いとなって検死をすることになります。場合によっては検死解剖までされることになります。すでに亡くなっている遺体を市民病院の救急に運ばれて引き取りにいったこともありました。

患者さんが亡くなっていることが明白な場合の正しい対応は主治医を呼んで死亡診断書を作成することです。患者さんの病状を理解している医師がその死亡に不審なところがないことを確認すればその場で死亡診断書を書くことができます。(診察のあと24時間以内という限定はありません。)

救急車を呼ぶのに迷うケース

元気だったおじいちゃんが急に倒れて息をしていない場合、あわてて救急車を呼びますね。救急隊は到着したらすぐに心肺蘇生(心臓マッサージ)を始めます。少し心臓が動きだします。救急車はおじいちゃんを救急病院に運びます。心臓が何分間止まっていたかわかりません。心停止時間が長かった場合、心臓は動きだしても脳の機能が元に戻るとは限りません。植物状態になる可能性も出てきます。

近頃の救急病院では救急隊からの依頼に対して患者が高齢者の場合には「気管内挿管や人工呼吸を望みますか?」と確認してきます。このような状況は突然やってきますから、本人の意志を事前に確認してあればよいのですが、そうでなければ家族は「最善を尽くしてほしい」と救急搬送をお願いすることが多いのです。難しい問題ですが、私は自分の心臓が止まったら延命は望まないと家族に話しています。しかし、心停止しても救急で蘇生されて笑顔で帰ってくる80歳以上の患者さんたちもあります。一概に「こうすべきだ」とは決めきれませんね。

延命措置を望むかどうかを元気なうちに明らかにすることを「リビングウィル」といいます。すなわち尊厳死を選択するかどうかという意思表示ですね。尊厳死とは「無理な延命措置をして患者の尊厳を損なわないように対処すること」です。尊厳死は「安楽死」と異なって違法ではありません。全国には「リビングウィル班会」やエンディングノート班会をさかんに行っている医療生協もあり、ろっこう医療生協でもそのような会が少しずつ始まっています。

在宅で静かに見送る

先日、長く在宅で療養されていた独居の患者さんが自宅でなくなりました。朝に訪問したヘルパーが病状悪化を察知して救急車を呼ぼうとしたのですが、訪問看護師が制止して主治医に相談してくれました。緊急往診すると90歳を越えた女性は意識がすでにない状態で安らかに呼吸だけしています。私は息子さん夫婦を呼んで「最善の処置」として何もせずに見送ることを提案しました。そのまま二人に一晩付き添っていただき次の朝に看取りました。あの時あわてて救急車を呼ばなくてよかったと思います。

入院でも「平穏死」

昨年の春に有る女性から「母親が入院していて食べられなくなった。病院の主治医は胃のチューブを入れましょうという。断ったところ、チューブを入れないなら退院してほしいといわれた。家に帰るのは怖いから、診療所で看てもらえないか。」という相談がありました。チューブは入れないで食べられるだけ食べてもらって無理なら看取りましょうということにして引き受けました。娘さんは甲斐甲斐しく面倒をみて、柔らかいものを少しずつ食べさせました。食べられる日と食べられない日がくりかえしつつ静かにお母さんは亡くなりました。

実はこの後、病院の主治医からあいさつの手紙が来ました。自分の病院では何もしないで亡くなることを許すことができずに申し訳なく思っていた。診療所で看取ってもらいありがたかったという内容でした。

診療所が病棟を持った意味はここにもあったのだなあ。入院していても平穏な死は提供できる。在宅でも病院でも施設でも満足な死が迎えられる医療の仕組みがあるべきだと考えています。人生の最後にも医療生協の役割はやはり大きいです。

村上正治

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