神戸市東灘区のJR[摂津本山]駅 または阪神電鉄[青木]駅 徒歩15分に位置するうはらクリニックは、ろっこう医療生活協同組合が運営する「地域住民による住民のための診療所」です。

医療生協でこそできる予防医療

 北海道・美瑛の牧場でランチをしました。のどかな景色の中で食べるチーズフォンデュは最高です。食事中にけっこうハエが飛んできて、思わず手でたたこうとして諫められました。「ハエたたき」が柱にかけてあるのを見つけて50年ぶりに懐かしい。水洗トイレでない子供の頃の生活を思いだしました。この話はまたあとで。

午前は外来診療・午後は往診の毎日

 ろっこう医療生協は神戸市の東半分を定款区域としており、2014年に東灘区では初めての事業所として在宅医療中心に診療するうはらクリニックを開設しました。診療を初めて4年、当初は灘から私が連れて行った往診患者が30人程でしたが現在は往診70人を超えました。東灘区は人口も多いのですが医院の密度もたかく、古くからの開業医が多い印象です。(東灘区10万人あたり105.3、全国平均は68)医師の数に反して在宅療養支援診療所の数は少なく、在宅訪問診療に力を入れている医院は灘区や中央区よりも少ない。そのため当院が「チューブ栄養大丈夫、緩和ケアも大丈夫」とうたって開業したところ近隣の若い内科開業医からも通院困難な患者が紹介されてくるようになりました。病院からは癌にかかって治療してきたが最後の数日~数ヶ月を自宅で過ごしたいという希望の患者さんの紹介が増えて、月に数人の患者を看取る日々が続いています。

癌は予防できるのに

 本庶医師のノーベル医学賞受賞に沸く現在ですが、そのオプジーボの様に癌の治療薬の進歩はこの数年で飛躍的であり、進行癌でも数年間は延命できるケースが増えています。分子標的薬や免疫療法薬などの超高価薬のおかげでしばらくは寛解状態にはなるのですが、完治する人は少ないためあれこれ高い薬を使い果たし、結局は薬が効かなくなって手詰まりになると「これ以上の治療はできなくなったので緩和ケアの病棟へ登録して自宅で最後を過ごし待ちましょう」と説明されます。癌治療のための病院と終末期を過ごす場所は異なるのです。
 私は在宅看取りをしながら、未だに胃がんや大腸がん、肺がん、肝細胞癌、乳がんなど予防できるはずの癌が比較的若い年齢で進行してしまい亡くなる患者さんの多いことに驚いています。胃ガンならピロリ菌感染予防と除菌、大腸癌なら食生活改善と便潜血チェック、肺ガンなら石綿対策と禁煙、肝臓癌は肝炎ウィルス対策、乳ガンなら自己チェックや遺伝子検査、子宮頚癌ならパピローマウイルスの感染予防などで癌が防げるのです。これまでの公衆衛生行政は医師や検査技師、検査屋の利益を優先してエビデンスレベルが低い検診をだらだらと行ってきました。しかし、これからは違ってきます。

例えば胃癌は10年で10分の1に減らせる

 2010年3月の日本消化器病学会誌、浅香正博会長の特別寄稿には「全てのピロリ菌感染を駆逐すれば胃癌は10年で10-20%に減る。5年間で15万人の胃癌死を減らすことができる」と記されています。しかし、この理想はなかなか実現できていない、旧態依然の検診をしている行政や事業所が未だに多すぎます。この頃はようやく企業や自治体の健診にピロリ検査(ABC検診)が採用されはじめていますが、ろっこう医療生協では先駆けて2008年からにピロリチェックを地域で行い数百人のピロリ保菌者を救ってきました。現在、私たちは組合員健診・職員検診として「ピロリABC検診」を勧めています。血液検査でピロリ菌がいるかどうかと萎縮性胃炎が存在するかどうかを判定しリスク別にABCDのグループ化をし、CDグループ=高リスクの人だけに胃の内視鏡を積極的に勧めるというものです。放射線被爆のある胃透視や苦しい胃カメラを不必要な人にまで行うというリスクと無駄を省くことができ、本当に必要な人を逃さずに精密検査指示できる優れた検査であります。

ピロリ菌を除菌しよう

 さて、食卓のハエの話。私を含め60才以上の人は自宅が水洗トイレではなくハエが日常的に飛ぶ中で食事をしてきた世代です、親から子供への口移し食事やトイレからのハエやゴキブリの運搬で子供の頃にピロリ菌が胃に感染すると「免疫寛容」が生じて一生胃の中にこの菌が住み着くことになります。衛生状態の良い欧米ではすでに30年前から胃ガンは激減しており、アジアでは未だに胃癌が多い。現在の日本ではピロリ菌感染の減少とともに50才以下の胃癌罹患は半分以下に減ってきました。
 かく言う私も20年前までピロリ菌感染・胃潰瘍で苦しんでいたのです。毎日胃がいたみH2ブロッカーを常用していました。阪神淡路大震災後のある日、「ピロリ菌を消毒する3日間の抗菌剤投与で胃潰瘍は完治する」という論文を読み(ピロリ菌発見者は後にノーベル医学賞をもらいました)実行してみたのです。嘘のように胃がすっきりして胃薬が不要になりました。あのままだったら今頃は自分も胃癌になっていたかもしれません。
 (図:日本消化器病学会HPより引用)


  

医療生協だからこそ

 学生時代、社会医学研究会に籍を置いた。先輩から「村上君、結核は抗結核薬の発明前から欧米ではすでに駆逐されていたのだよ、疾病は薬で治すものでではなく予防するものなのだ」と説かれて「健康を商品化しない医療」をめざしたいと思い医療生協の医師になりました。大阪で研修医になって苦労したのは肝炎と肝細胞癌、胃十二指腸潰瘍と胃癌でした。針刺し事故で自分もB型肝炎で入院したこともあります。肝炎ウィルスで発ガンすることやピロリ菌で潰瘍や胃癌になることがその10年後に明らかになってきました。パピローマウィルスと子宮頚癌など感染症による発ガンのなんと多いことか、癌もまた環境や生活、公衆衛生的な改善で予防できることが明らかになっています。
 今回は胃癌の話になりましたが、これからは医療のおかげでなくTOTOやINAXのおかげで胃癌は撲滅されて行くでしょう。多額の資本が「治療薬」の開発につぎ込まれていますが、癌の予防と早期発見は国も産業も力を入れないもうからない分野です。「癌になったら金がかかる、働けなくなったときの保障も必要」と保険会社のコマーシャルが毎日のように流されています。医療被害であるB型肝炎の救済保障についてさえ「○○法律事務所」の営業対象となっています。国立大学でも医者も製薬企業から研究費を受け取り産学協同しないと研究できない仕組みになってしまいました。
 予防医学こそが本来の医学のあり方と思って働いている医療者が報われることが少ないのが日本の現状ですが、私たちは自分たちの健康をまもり育てるために、環境や世の中良くすること運動を広げてきました。平和運動や社保活動もその一環です。各診療所では組合員さんが検診・検査を受けやすくする努力もしています。たとえば経鼻内視鏡とミントを使った前処置による「楽な胃カメラ」が灘診療所でも受けられるようになりました。「ひとりのための、そして万人のための医療」をこれからも広げていきたいと考えています。

2018年11月 村上正治

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